2000年までは著者自身の執筆によるもの。以降は『環[特集]われわれの小田実』(2007年藤原書店刊)の「年譜」を増補。

原稿用紙だけでなく、ノートにも書かれている自筆原稿や、絵や表などが随所に見られる創作ノート。適宜更新。

幼少期、高校時代から若き日のギリシアへの旅、ベ平連の集会、ベルリン、ベトナム各地やデモ行進まで、行動し続けた軌跡。

主に中学時代に書かれた詩。早熟な少年の思索に感性の鋭さがうかがえる。「駄目になったおれを見てくれ…」

『ベトナムから遠く離れて』(1991年講談社)の出版記念に、はさみこみの冊子に書かれた小説論。書影は第1巻のカバー表紙。

1995年1月17日阪神淡路大震災で被災した小田実に宛てて、3日後に書かれた。「小田さん、貴兄のために私はどうしたらいいのでしょう?」

小田実の“人生の同行者”であり、水墨画家でもある玄順恵氏が、ともに生きた小田実の作品の独自性、奥に秘められた著者の思いに迫る作品論やエッセイを掲載。夫とともに作家たちとの交友を通じて得た考察は、常にアジアを、そして世界を見据えていて、小田実の視点とも重なり合う。全集完結を記念して書かれた「『河』――小田実最期のエピック――」では、未完の作品『河』の題名の意味が解き明かされる。

初刊を含め、過去に刊行された収録作品の表紙の数々は、著者だけでなく装丁家、編集者の思い入れやその時代のにおい、勢いを垣間見せてくれます。全集収録作品82点の書影が勢ぞろい!! 60年近くにも及ぶ装丁の世界の変遷をお楽しみください。