画像はオンデマンド(本)版の表紙です
亡命者やヒッピーはどこかに「目的地」をもつ「途中者」。国家で充満している地球世界にあって「無国人」には「目的地」がない。空と大地の間で浮揚する凧のようだ。秩序からはみだし、「らしさ」からはみだす心優しき者たちのタメ息と感動がうめき声となって聞こえてくる小説の展開に、人はなぜ凧を揚げようとするのかを知ることができる。うまく揚がらず地上にはいずりまわる凧に「途中」と「途中者」を見、それでも「生きつづける」ことの大切さを再び語りかける、滋味深い私小説。
オンデマンド(本)版
小田実全集 小説
『タコを揚げる ある私小説』
2011年8月刊行
2,700円(税別)
オンデマンド版の販売は2018年4月末日をもちまして終了しました。